続・トラックボールの話
2000.8.1



前々回のかわら版で、この夏レッツノートのサブノートに光学式トラックボールが復活した話を書いたが、その後、このニュースはあちこちのホームページで話題になっており、予想以上にトラックボールのファンが多そうだということを知った。

ホームページで署名運動をした人達もいるほどだ。トラックボール絶賛記事の中には「さくら」的要素もあろうかと思うが、ユーザーの声を誰でも直に聞けるということは、考えてみればすごいことだと思った。メーカーには大きなプレッシャーになるだろうか?

さて、「光学式」トラックボールとは、光でボールの動きを感知する。センサーとボールが接触しないため引っかかることなく、滑らかで正確な動きが得られるという。また、汚れに強いため手入れが楽だ。(動作原理はここを参照)

PC-9821Lt我家にもトラックボールファンが多いのだが、そういえばレッツノートより前、'95年に買ったノートパソコン(PC-9821Lt)にもトラックボールが使われていたことを思い出した。(写真右)

このボール、ついている位置はともかくとして、ポイント位置を決めやすいことは決めやすい。だが、これは「光学式」ではないので汚れるとすぐ動きが悪くなり、取り出して時々洗う必要がある。そのせいかどうか、その後あまりはやらなかったようだ。

ところで、デスクトップユーザーにもトラックボールは根強い人気をもつ。マウスに比べて本体は大きいが、マウスパッドはいらないので結局マウスより狭い場所で使うことができる。

次はいずれもロジクールから出ているトラックボールだが、いろんなデザインがあるものだなあ…と感心してしまう。定価もかなり違う。高いものほど使いやすいか? 否である。所有者が言うには、一番安い右端のがいちばん使いやすく、真ん中のが一番使いにくいそうだ。私も試してみたが、一番すなおな形をしている右端のが使いやすいように思った。真ん中のは手の大きさ・指の長さによって使い勝手が左右されるようにも思う。

ロジテックトラックボール1
定価15000円
ロジテックトラックボール2
定価6000円
ロジテックトラックボール3
定価5000円

マウスやキーボードなど直接人間が操作するものは、価格にごまかされず、店頭でよく試してから買いたい。…と思うが、マウスを試用できるパソコンショップは少ない。秋葉原のLAOX・ザ・コンピュータ館はマウスの店頭試用ができる数少ない店だ。(少なくとも以前はできた。)片っ端から試してみたら、いちばん使いやすかったのはいちばん安い製品だった、などということがあった。

中高年になってパソコンを始める人が増えてきた。この傾向は今後も続くだろう。何でもGUIでできるようになってパソコン操作はやさしくなったのだろうか? そんなことはない。中高年で始めた人はだいたいがマウス操作は苦手だ。細かい操作が多く、キーボードを打つよりよほど目が疲れて肩が凝る。ましてや使いにくいマウスを使っていてはモティベーションも下がるというもの。マウスに馴染めない人は、上記のトラックボールを試してみられてはいかがだろうか。

パソコン選びも性能やパワーばかりが重視されて、初心者が不必要にハイスペックなマシンを使っている現状だ。“最高のマシンは最悪な人が所有している”という「マーフィーの法則」もあったっけ? パソコン社会が成熟して、人間が直に触れるキーボード、マウス、ディスプレイなどにもっと目を向ける人が増え、そういうものにお金をかける時代になってほしいと思う。

一人静  
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