そんな名前つけなくても・・
オヤブジラミ・ドクダミ・ハキダメギク

2002.5.22

またまた花写真ネタで恐縮です。m(_ _)m
半年ほど前にクローズアップレンズをデジカメに取り付けて以来、マクロ写真が面白くてたまらない。冬芽・葉痕もそうだが、レンズを通して今まで見えなかった世界が見えてくるのは何と楽しいことか! 木や花の見方にも色々ある。単純に「わあ、きれい!」という感動もあれば、「へぇ、こんなふうになってるの・・」という感動もある。
先日デジカメ用マクロレンズなるものを買ってしまった。クローズアップレンズよりさらにマクロ度の高い写真が撮れるようになった。ますますハマりそうだ。

さて、前回の最後に植物の名前のことに触れたが、何の因果でこんな名前をつけられなければならないのか?という気の毒な野草も多々ある。今回はそんな野草にスポットをあててみよう。

※ 写真をクリックすると拡大写真が見られます。

■オヤブジラミ(セリ科)

今年初めて認識した草だが、4月〜5月にかけて道端や空地によく咲いている。同種で6月〜7月に咲くのをヤブジラミという。花の後にとげ状の毛の生えた果実ができるが、それが衣服などについたさまが、まるで虱がたかったようだということからこの名があるという。うむ。。

では、花と実をご紹介しよう。

非常に小さい花で、知らなきゃ誰も気がつかない・・。 でも、テントウ虫には好かれている?
花の下部に実ができつつある。こんな状態をキャッチできるのもマクロレンズならでは。 きれいな実ができた。毛の先が曲がっているのがよく分かる。これが衣服などにくっつく原因だ。
テントウ虫と比べると花がいかに小さいかお分かりになると思う。花の後にできるグラデーションのかかった赤っぽい実はなかなかきれいだ。とても・・ジラミなどという名前をつける気が知れない。

■ドクダミ(ドクダミ科)

誰でも知っているドクダミである。薬草であることからこの名があるようだ。においはきついがなかなか可愛い花で好きな人も多い。乾かした葉でドクダミ茶が入れられる。しかし愛想のない名前だ。

白いのは花弁ではなく葉が変化した「総苞」と呼ばれるもの――と、知ってる人は多いと思うが、では、花の部分はどうなっているのか? よく見たことがある人は少ないかも知れない。

ドクダミの花の部分をマクロで撮ると・・。花は黄色の雄しべと白い雌しべからできていることが分かる。

■ハキダメギク(キク科)

熱帯アメリカ産で、大正時代に帰化し戦後急速に広がった野草だそうだ。有機質に富んだ土壌を好むところから、ゴミタメのようなところによく見られるためこの名がついたそうだ。それにしても・・である。

よく見るととても可愛い花なのだが、花の直径はほんの5mm程度。肉眼ではよく分からない。こういう時にマクロ写真は絶好だ。春からぼつぼつ咲いているが夏から秋にかけてもっと増える。どんな所に多いか気にしながら探してみよう。

ハキダメギクのマクロ写真。白い花弁が三裂しているのが特徴的。

こうして見ると、どれもなかなか可愛い花ではないか。ますますマクロの世界にハマりそうだ。「立派に咲いたバラやボタンをほっといて、何でそんな雑草ばかり撮るのか?」という質問には、「そこに花があるから・・」と答えておこう。でも、かわいそうな名の野草達のために、少しは役に立ったかな? (^^;)

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