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2006.03.16
鎌倉のキブシ

この時期鎌倉のどこを歩いてもキブシの花が満開だ。
キブシの木を知ったのは鎌倉に引越して来てからだった。春が来ると暖簾のように垂れ下がる緑の花、渋いけど個性的で里山の風景にとけ込んでいるこの花がすっかり気に入ってしまった。デジカメ散策を始めてから毎年必ず撮っている花、撮りたくなる花だが、とても撮りにくい花ではある。

▲里山に似合う花/2006.3.13/市内山ノ内

キブシは雌雄異株。花の中をのぞいてみると雌雄が分かる。雄しべが長く黄色の花粉がついているのが雄花、雄しべに花粉がつかず退化して短かく、緑色の雌しべが突き出てみえるのが雌花だ。
花の色は「雄花は黄色っぽく、雌花は緑色っぽい」とも言われるが、あまり差はないように思える。雄花は黄色の花粉、雌花は緑色の雌しべのために遠くから見ると花の色が違って見えるようにも思える。

▲雄花(左)と雌花(右)/2006.3.15/鎌倉中央公園
▲雄花のアップ/2006.3.15/鎌倉中央公園
▲雌花のアップ/2006.3.15/鎌倉中央公園

キブシは変異の多い木と言われるが、鎌倉のキブシも花序の長さ、葉の大きさなどかなりのばらつきがある。花序の長いキブシはハチジョウキブシ、エノシマキブシとして区別されることもあるようで、鎌倉のキブシの何割かがエノシマキブシなのかも知れない。が、どこまでがキブシでどこからがエノシマキブシかという境目は分かりにくい。

▲短い花序/2004.4.8/市内植木
▲長い花序/2002.3.17/市内散在ヶ池
▲丸い葉/2003.12.8/鎌倉中央公園
▲長い葉/2005.7.2/鎌倉中央公園

↑の写真に見える細い紐のようなものは翌年のための花芽だ。キブシは気の早い(?)木で、前年の7月頃にはもう翌年の花芽を準備をしているから驚く。

キブシは林の縁に多く、広町緑地などでも森の中に入ってしまうと見かけない。お寺の裏山などでもよく見えるところに多いようだ。

▲2006.3.12/市内・貞宗寺

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