1ヵ月抜けてしまったが、メールの話を続けることにしよう。(前回はこちら) メールを“電子郵便”と思って始めた人が最初に「おや?」と思うのは、題名をつける欄があることかも知れない。普通の私的な手紙には題をつける習慣がないので最初は戸惑うが、あまく難しく考えずに内容に即したものをつけておけばよい。 次に、Ccとか同報とか書かれた欄があって、「ここには何を書くのだろう?」と思われるかも知れない。メールの解説書などに書いてあるとおり、CcとはCarbon Copyの略であり、レターペーパーにカーボン紙をはさんで本文を書き、できた写しを送る人を指定する欄だと思えばよい。もちろん写しを送る人がいる場合のみ指定すればよいのであって、必要がなければ空欄にしておけばよい。 では、どんな時にこのCc(同報)を使えばよいのだろうか? To(宛先)に何人も並べて書くのと何が違うのだろうか? 簡単に言えば、To(宛先)はそのメールのメインの受取り人を書く欄であるのに対し、Cc(同報)はそのメールを「ついでに」送っておこうという人を書く欄だ。もちろん「ついでに」といっても送る意味があるから送るのであって、Ccを忘れると話がややこしくなることもある。Ccで受取る人は「他人同士のやりとりを側で聞いている」という感覚だから、一般的にはそのメールに対して返事を書く必要はない。 複数の人に送る時、一人のアドレスをToに書き、残りの人をCcに並べる人がいるが、全員が同等の受取り人の場合は、これは間違った使い方だ。メインの受取人をCcに入れては失礼になる。Toで受取るか、Ccで受取るかは意味が違うことを知っておいた方がよいだろう。 次は、Ccした場合としなかった場合ではどう違うか?の一例である。
さて、1と2ではどう違うだろうか? 1のケースは、Aさんにとっては一つのメールで二つの用事がすんでしまうのだから好都合だ。が、好都合なのはAさんだけではない。 C君にとっては、自分がBさんにどのように紹介されたのかを直接知ることができる。また、BさんはAさんからのメールのCc欄にC君のアドレスがあることを見て、C君もこのメール読んでいることが分かる。「このメールの内容はC君の意図に反したものではないな・・」とBさんは思うかも知れない。いずれにしても、後の話が進めやすくなることは確かだ。このように、1の方がBさんにとってもC君にとっても情報量ははるかに多く、事実を直接知ることができて信頼性も増すことになる。 この後、C君はBさんに簡単な自己紹介とアポイントメントのおうかがいメールを送り、Bさんはそれに返事する・・・ということになるのだが、このやりとりを今度はAさんにCcしておくとよいだろう。Ccを受けたAさんは、BさんとC君の間で順調に連絡が取れたことを知ることができる。Aさんにもっと詳しい報告をすることがいずれ必要になるかも知れないが、取り敢えずはこれで十分だ。
その人宛でもないメールを第三者に送ることに最初違和感を感じるかも知れない。が、このCcの使い方はメールならではの機能だ。「オープンにしてよいことはできるだけオープンにする」ことによって情報の信頼性を高め、複数の人の間で情報を共有することができる。 少し話は逸れるが、最後にBccの使い方について触れておこう。BccとはBlind Carbon Copyの略で、そのメールをこっそり誰かにCcしたい時に使う。メーラーによっては、Bccの欄が表示されてない場合もあるが、探せば必ずあるはずだ。 こっそり送るというのもあまり穏やかではないが、その人に送ったことを他の人に知られたくない場合もあるだろう。Bccのヘッダは受信メールには表示されないので、そのメールを受け取った人は同じメールが誰かにBccされていても知ることはできない。逆にBccで受け取った人は、自分のアドレスがToにもCcにも書かれてないことになる。 ところで、メールアドレスは個人情報だからその取り扱いには十分気をつけよう。他人のメールアドレスをやたら第三者に教えてはいけない。時々、メールアドレスやホームページURL変更のお知らせなどで、何十人ものアドレスがToに並んだメールを受け取ることがある。アドレスだけならまだしも、実名がついていたり…。(そういう人に限ってご本人の実名は伏せてあったりするのは何故か?) ご当人としては友人・知人に一斉に発信したものであろうが、送られた人同士は知人ではない。見ず知らずの人に実名入りのメールアドレスを公開されてしまうことになる。やってはいけないことだろう。 こういうメールはBccを使うのがよいと思う。Bcc欄に全員のアドレスを並べ、To欄には自分のアドレスでも入れておけばよい。そして本文の中に「このメールは自分の知人にBccで送っている」旨を記しておこう。 ホームページに実名を公開してない人も多いのだから、他人のアドレスや名前の取り扱いには十分気をつけて、トラブルの起こらぬようにしたいものだ。 |