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2006.02.17
エンジュとイヌエンジュ

街路樹と言えば、イチョウ、ケヤキ、プラタナスなどが思い浮かぶが、最近は花のきれいな木が増えているようだ。鎌倉市はあまり大きな道路がなく、従って街路樹も少ないが、家から近いところにエンジュの街路樹がある。7〜8月頃、木の花が少なくなった時期に白い花をつけ、なかなかよいものだ。
大船フラワーセンターから龍宝寺前を通って植木小学校へ向かう道路の両側に60本ぐらいは植えられている。

▲エンジュの街路樹

ところで、この中にどういう訳かイヌエンジュが2本ほど混じっているという話を聞いた。エンジュの冬芽はネムノキなどと同じく隠芽タイプですでに撮影済だが、イヌエンジュにはまだお目にかかったことがない。早速探しに行ってみた。

▲エンジュの冬芽は隠芽タイプ

図鑑でイヌエンジュの冬芽を確認すると、エンジュとは全く違って隠芽タイプではない。冬芽を見ればエンジュかイヌエンジュかは一目瞭然だ。
一本一本見ていくと、植木小学校の先にイヌエンジュが見つかった! 冬芽の前にまず樹皮が全然違うので樹皮をを手掛かりに探せばよい。

▲エンジュ ▲イヌエンジュ

よいぐあいに手の届くところに小枝が数本出ていた。光線のぐあいが悪かったが、何とか撮影できた。
うむ。なかなかの顔である。「イヌ」というより「太めのネコ」といった風貌(?)だが・・。

▲イヌエンジュ
▲イヌエンジュ

話はまだ続く。これを撮ったのが一昨日だったが、家に帰って以前撮ったエンジュの写真をながめていると、「ん? この木肌はイヌエンジュではないか!」という写真が見つかった。4年ほど前の写真だった。撮った記憶は全然なかったが、多分「変わった木肌だな・・」と思って撮ったのだろう。撮影日から辿ってその日に写した写真フォルダを見ると、どうやら上の街路樹ではなく、少し離れた柏尾川沿いの街路樹のようだ。こういう時、デジカメ写真は記録が残っていて非常に便利。日時はもちろん、撮影時刻と前後に写しているものから撮影場所を割り出すことができるのだ。

今日行ってみたところ、エンジュが並ぶ中、予想どおりのところにイヌエンジュが一本あった! 枝が高くて冬芽を撮ることはできなかったが、ここで以前にもこの冬芽を見ていることを思い出した。確か「ヤマグワかな?」と思ったはずだが、写真はまっ黒でよく撮れなかった記憶がある。樹皮も冬芽も見ていたのに結びついていなかったのだ。
大船駅に向かって少し歩くと、植え込みに人の身長ぐらいの幼木が目に入ってきた。冬芽を見るとイヌエンジュだ。「ん? 種が飛んできたのか?」と思ったが、そうではなく、切り株の側から生えてきたものだった。ここにもう一本イヌエンジュがあったようだ。

そんな訳で無事イヌエンジュの冬芽写真をゲットできた。
それにしても何十本ものエンジュの中にイヌが紛れ込んでいたとは笑える話だが、こんな間違いなら大歓迎だ。しかし、こんなところで喜こんでいる人がいようとは、誰も思わないだろう。(^^;)



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