晩秋の天園を歩く・前編
2004.11.26
晩秋の一日、五人の“愉快な散策仲間達”で天園ハイキングコースを歩きました。普段は忙しくてなかなか一緒に行けない愉快度No.1のHさんも参加、散策がいっそう楽しいものになりました。
実はちょうど1年前にもほぼ同じメンバーで同じコースを歩いています。このコースは鎌倉随一の紅葉名所である“獅子舞”を通りますが、昨年より季節の進みがやや遅いせいか、紅葉は見るべきものがありませんでした。が、昨年はなかったもの、あっても気がつかなかったものをいくつか発見! あちこちで寄り道しながら6時間の散策を楽しみました。(一部昨年の写真を使用しています。) 前編 ・ 後編 |
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▼10時鎌倉駅集合、時間節約のためにバスで大塔宮(鎌倉宮)へ。まずは鎌倉宮のモミジを愛でていくのが恒例になっていますが、今年はやはりまだ1週間ぐらい早い感じでした。ここには鎌倉には珍しいオガタマノキがあります。大木でなかなか花や実を見ることができませんが、この日はたくさんの実が落ちていました。中には赤い種の入ったものも。コブシやモクレンの実によく似ています。 |
▼鎌倉宮から瑞泉寺方面に向かう道路沿いでも色々なものが目に留まります。タブノキやヤブニッケイに混って見慣れぬ常緑樹がありましたが、Hさんは自信を持って「サンゴジュ」と。普段生垣などにされてるサンゴジュに比べて幅広の葉、私はサンゴジュには見えなかったのですが、葉痕を見るとやっぱりサンゴジュでした。剪定されてる木とされてない木では葉の様子も違ってくるんですね。近くにはイタビカズラも密集して生えていました。 |
▼少し歩くとに特徴ある樹形の木が目に留まりました。もう葉は落ちてしまって白っぽい木肌が目立ちます。「何となく見覚えのある木肌だな・・?」と思いましたが、そうでした。昨年この先の川沿いで初めて見つけたニワウルシの木でした。これも特徴ある葉痕がその証拠です。(^^;) |
▼テニスコートを左折し、永福寺(ようふくじ)跡を左に見ながら二階堂川沿いを歩きます。永福寺跡は例年勤労感謝の日の頃にボランティアを募ってススキを刈るのですが、今年はまだススキがたくさん残っていました。川沿いには面白いものがたくさんあります。昨年はここでニワウルシを見つけましたが、今年はこの先にもニワウルシの木が点在しているのに気づきました。成長が早い木としても知られています。 ムラサキシキブ、アカメガシワ、イヌビワ、ニシキギ、アオツヅラフジ、コクサギ、タラノキ、トウネズミモチ、ウツギ、マルバウツギ、タブノキ、テイカカズラ、ヤマグワ、エノキ・・、おなじみの木が続きます。昨年も見ましたが、これはハンショウヅルでしょうか? この蔓性植物は鎌倉のあちこちで見かけますが、まだ花には出会っていません。来春は花を確認したいものです。 |
▼川沿いにはヤブツバキが咲いていました。なかなか手の届くところに花がなくもどかしく思っていましたが、やっと近くできれいな花に出会えました。もう野草の花はほとんど見られず、咲いているのはシロヨメナばかりです。薮の中に可愛いツタの紅葉を見つけました。 |
▼人家が途切れて10分も歩くと、もう深い山に入ったと錯覚するほど辺りは静かです。黄葉がきれいなのはアカメガシワでしょう。カラスザンショウやコクサギ、タマアジサイの木も見かけます。スギやカヤノキなど針葉樹も増えてきます。 途中岩壁の上に何本かネムノキのような葉をつけた木を見ました。みんな「こんなところにネムノキがあるだろうか・・」とちょっぴり疑問に思いながら歩いているうちに、まさしくネムノキの幼木に出会いその疑問も解消しました。舞岡公園のネムノキはもうとっくに葉を落としているのに、ずい分遅い黄葉です。 |
▲遅い黄葉 | ▲間違なくネムノキだ! |
▼両側はシダの生えた岩壁、左にせせらぎの音を聞きながらゆるやかな山道を登ります。ここ一週間、鎌倉は小春日和が続いているにもかかわらず道はぬかるんでいます。何度来ても「ここは本当に鎌倉なんだろうか?」と思う静けさです。 (この辺りの景色は昨年撮ったものを掲載します。) |
▼急な上り斜面に差し掛かりました。イチョウの落葉にハッとすると、急に景色が変わっていることに気づきますが、そこが鎌倉随一の紅葉名所である紅葉谷、通称“獅子舞”です。3年前に初めて来た時は、木漏れ日に輝くイロハモミジとイチョウの共演にうっとりしたものでした。 が、今回は残念ながらモミジの色づきは悪く、曇天ということもあってサラリと通り過ぎることになりました。でも、ちょっとだけ写真も撮りましたが…。 |
▲紅葉谷 | ▲イチョウの黄葉 |
▼今日の目的は他にもあるのです。途中道草を楽しんできたこともあって、すでに1時近くなっています。お腹もすいてきました。目指すは天園の茶屋です。急げ!急げ! |
▲イロハモミジ | ▲ツタウルシ |
続きは 後編 へ。 |
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