2006.10.28
ヨメナ・ノコンギクなど
野菊の秋、鎌倉周辺で見られるノギクもほとんどが咲いた。7月ごろからぽつりぽつりと咲き始めるカントウヨメナ(以後、ヨメナと記す)を初め、ほとんどのノギクが9月〜11月上旬頃に最盛期を迎える。関東に自生するノギクは西日本に比べると少ないようで、鎌倉周辺で見られるのは、ヨメナ、ユウガギク(少ない)、シラヤマギク、ノコンギク、シロヨメナ、リュウノウギク、イソギクぐらいだろうか。このうちリュウノウギクと海岸に咲くイソギクはまだこれからが花期だ。
これぐらいの数であれば、ノギクの判別もさほど難しくはないのだが、時に「交配種か?」と思うほど悩ましいものもあるにはある。
形から言うとヨメナとユウガギク、またノコンギクとシロヨメナが紛らわしいかも知れない。また、花の色から言うとヨメナとノコンギクがよく似てる。
ユウガギクはまだ鎌倉ではそれと認識したことがなく、あっても非常に少ないと思えるのでヨメナと間違えることはあまり考えなくてもよいかも知れない。
ノコンギクとシロヨメナはこの時期よく見かけるが、生えている場所が少し違う。ノコンギクは田んぼ周りや日当りのよいところに咲くのに対し、シロヨメナは林道など比較的暗いところを好むようだ。
最もよく目にするのはヨメナとノコンギクで、どちらも同じようなところに生える。ノコンギクは花序がいくつにも枝分れしてたくさんの花がまとまって咲くのに対し、ヨメナはあまり枝分れせず一つずつ咲くというイメージだ。花もヨメナの方が大きい。
少しマニアックになるが、決定的な違いは冠毛の長さだと言われている。ノコンギクは舌状花にも筒状花にも長い冠毛があるのに対し、ヨメナはどちらにも冠毛がない。実際に調べてみた。
▲ノコンギク
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▲ノコンギク/舌状花にも筒状花にも長い冠毛がある
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▲ヨメナ
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▲ヨメナ/舌状花にも筒状花にも冠毛がない
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シロヨメナも調べてみたが、ノコンギク同様、舌状花にも筒状花にも長い冠毛があった。実は、ノコンギクとシロヨメナの冠毛に違いがあれば、どちらか分かりにくい花があった時に手がかりになるかと思ったのだが、これでは使えない・・。
▲シロヨメナ
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▲シロヨメナ/舌状花にも筒状花にも長い冠毛がある
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↓はユウガギク。冠毛は調べてないが、先日横浜市青葉区の寺家ふるさと村で撮ったもの。茎が倒れかかるように長く伸びている。花は白、ヨメナなどにはない切れ込みの葉も見られた。
▲ユウガギク
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