秋の野山で見かけるカラスウリの赤い実は誰にもおなじみだ。葉が枯れた後もずっと残っていて秋の風物詩になっている。民家の垣根に巻きついているのもよく見かける。そういえば子どもの頃隣の家にもあったような気がする。
ところが、カラスウリの花を見た記憶はなかった。それもそのはず、カラスウリの花は夕方から開き始め夜のうちにしぼんでしまう一夜花だったのだ。
今年初めてカラスウリの花に出会うことができた。家からさほど遠くない畑の垣根。「ある!ある!」 夕方6時、気の早い花はもうかなり開いている。30〜40個もあろうか・・。
闇の中に広がる不思議なレース。たった数時間のショーをいったい誰に見せようというのか・・? うわさに違わぬ幻想的な光景にすっかり感動してしまった。
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開花ショー
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カラスウリは雄花と雌花が別株につく雌雄異株である。開いた花の中心を見ると、雌花の方はめしべの先端が三つに分かれている。花の根元を見ると、雌花は子房の部分がふくらんでいるので区別できる。
左下の写真は前日に咲いた花がしぼんだもの。広げられたレースは夜の間に再び花の中にきちんとしまわれる。何とも不思議な花だ。そして、花が咲いた数日後にはもう写真のような青い実になる。 |
助っ人?
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ものの本によると、花の細長い筒の部分には蜜がたまっているという。口の長いスズメガがこの蜜を吸いにきて受粉を助けるのだそうだ。花が咲いているのはほんの数時間の間、その間に来てほしいわけだ。
この蝶も受粉に協力しているのだろうか?
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