今年は春先から例年より花が早く咲き始め、季節感が狂ってしまいますが、ふと、昔はどうだったのだろう?と思うことがあります。夏の花、秋の花・・、花によっては咲く時期も今とはずい分違ったのかも知れません。猛烈な勢いで増える外国産の帰化植物を見るにつけ、遠く万葉人達はどんな草花を見て暮らしていたのでしょう・・? 想像し出すと興味はつきません。
万葉の歌人・山上憶良が詠んだこの「七種の花」が後に「秋の七草」と呼ばれ、人々の親しむところとなりました。ちなみに、芽子=ハギ、尾花=ススキ、朝貌=キキョウと言われ、「七種の花」は今で言うハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウを指すと考えられています。 ところで、これらの七草が万葉集にどのくらい詠まれているかというと、その数はまちまちです。いちばん多く詠まれているのが、ハギで141首、以下、オバナ33首、ナデシコ26首、クズ17首、オミナエシ12首、キキョウ5首、フジバカマ1首だそうです。ハギの141首はすべての植物の中でもトップで、ウメ119首、マツ80首よりも多く、フジバカマはこの憶良の歌に出てくるだけだそうです。 さて、この「秋の七草」、今の私達でも身近に見られるのでしょうか? ということで、今回は秋の七草巡りをしてみましょう。 |
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これで「秋の七草」を一応見ることはできました。しかし、このうち野山で日常見られるのは、ヤマハギ、ススキ、クズぐらいで、後は栽培種になってしまいます。これでは万葉人の世界にひたるのはちょっと無理でしょうか? 自然に任せておくと増えるもの、減るもの、結構短時間のうちに様変りしていくようです。そのうち「秋の七草」とは、ハギ、ススキ、クズに加えて、ミズヒキ、キバナコスモス、セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサになるかも知れませんね・・??? |
一人静 |