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晩秋の天園を歩く・後編
2004.11.26

前編 ・ 後編

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▼天園には二軒の茶屋がありますが、昨年同様有名でない方の下の茶屋に入り、賑やかに(?)お弁当とおでんを食べました。あまりゆっくりしてられず、2時に午後のコースに出発です。茶屋のあるところから少し登ったところが標高159mの大平山、ここが鎌倉の最高峰(^^;)なのです。うっすらと色づいた木々のグラデーション、木々の間から稲村の海も見えます。天気がよければ西に富士山が見えるはずですが、残念ながらくもり空では無理でした。

天園からの眺め

▼頂上付近では、イヌビワ、カラスザンショウ、ツルグミ、ツルマサキ、イボタノキ、スギ、キヅタ、ソメヨシノ(多分)などが目につきます。昨年もう少し先の林の中でクロモジを見つけましたが、今年はもうこの近くで見つけた人がいます。昨年見えなかったものが今年は見えたのですから嬉しいですよね。そしてこの後、“今日の主役”に会うことができました。

▲イヌビワ ▲ソメイヨシノ ▲ツルマサキ

▼鎌倉の山道を歩くとどこにでも生えているテイカカズラ。林床いっぱいに広がり、高い木にも登っていくその逞しさには驚くばかりです。6月頃には風車のような白い花を咲かせ、散策する人々を楽しませてくれます。
が、たくさん生えている割にはテイカカズラの実を見る機会が少ないと思っていました。昨年このコースを歩いた時、一つだけ落ちていた種を鮮明に覚えています。また、大平山山頂付近で「テイカカズラのようだけど、この実は何??」と思ったのが、テイカカズラの実が虫こぶになったものだということが後で分かりました。
という訳で、「今年はぜひともテイカカズラの実が裂開して種が飛び出すところ見よう!」と思っていたのです。
そして、ここで予想をはるかに越えるすばらしい被写体に出会うことができました。

テイカカズラの実


▼テイカカズラの種を思う存分観察・撮影し、みんな大満足。足どりも軽くハイキングコースの森の中を歩きました。途中昨年は見なかったツタウルシが可愛く黄葉してました。縞の入った小さい実もなかなかお洒落です。ツルグミも小さな花を咲かせていました。この日はずい分あちこちでツルグミを見かけましたが、これも昨年は全然見えてなかった木です。
ツタウルシ

ツルグミ

▼脇道に入って探索したいのはやまやまですが、日の入りも近く少々急ぎ足になりました。昨年も見たクサギ、クロモジ、ヤブコウジ、サルトリイバラなどを愛でながら、昨年同様、建長寺もやり過ごして明月谷へ降りました。途中、タブノキの大木は健在でしたが、その近くでカヤノキの大木が太い幹のところから折れ道を塞いでいました。北鎌地区は台風22号の被害が大きかったのだなと改めて思いました。

▲クサギ ▲ヤブコウジ ▲クロモジ

▼明月院前を通りかかる頃には日もとっぷり暮れ、北鎌倉駅到着はもう5時近くなっていましたが、身も心もリフレッシュした晩秋の一日でした。次回は木々の芽吹く春に同じコースを歩きたいものです。

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