【用語】  ― 維管束痕 ―

維管束痕(いかんそくこん)とは難しいことばですね。私も冬芽や葉痕に興味を持つようになって初めて知ったことばですが、維管束とは要するに水分や養分が通る管のことで、葉、枝、幹、根とつながっています。葉痕にその管の断面が斑点のように残っているのが維管束痕です。その斑点の数や並び方が木によって異なり、葉痕を独特の面白い“顔”に見せているというわけです。
維管束痕の数は1個のものから多数のものまで様々ですが、「何で顔に見えるように並んでいるんだろう?」と思うものがいっぱいです。冬芽観察の楽しさも維管束痕のお蔭かも知れませんね?


▲維管束痕が葉(葉柄)→枝とつながっているなら、当然落ちた葉(葉柄)側にもその痕跡があるはずですね。その証拠写真です。
左はフウの葉痕、右はここについていた葉柄側の維管束痕です。冬芽があるかないかで全然違った顔に見えるのが面白いところですね。

維管束痕が一つのムラサキシキブです。
これも維管束痕が一つですが、形がとてもユニークなカキです。

▲維管束痕が円形に並んでいるものU字型に並んでいるもの、木によって特徴がありますね。左からノウゼンカズラ、クサギ、キリ、タラノキです。タラノキは葉痕自体がU字型で、維管束痕は30個ぐらいネックレスのように並んでいます。

▲二つの“目”と“鼻”や“口”があって、顔らしく見える葉痕たちです。左から、アジサイ、カラスザンショウ、クズ、オニグルミです。クズにいたっては“眉毛”まであります。何でこんなふうに並んでいるのか本当に不思議ですよね?


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