【用語】  ― 鱗芽・裸芽 ―

冬芽は芽鱗(がりん)と呼ばれる被いで保護されているものと、被いのないものがあります。前者を鱗芽(りんが)、後者を裸芽(らが)と呼んでいます。

芽鱗にも色々な形状があり、1枚の芽鱗が帽子のように冬芽全体を包んでいるもの、2枚の芽鱗で冬芽を包んでいるもの、10枚以上の小さい芽鱗が何重にも重なって冬芽を包んでいるもの、毛皮のコートを着ているものなど、木によって色々です。


1枚の芽鱗が帽子のように冬芽を包んでいます。(バッコヤナギ)
2枚の芽鱗がぴったりくっついて冬芽を包んでいます。(ネジキ)
20〜25枚の芽鱗が重ね合さって一つの冬芽を包んでいます。(コナラ)
暖かそうな毛皮のコートを着ています。(コブシ)


裸芽は芽鱗を持たず、縮んだ葉がむき出しのまま外気にさらされていますが、細かい毛に被われているものが多いようです。

冬芽は裸芽ですが、若い枝とともに星状毛に被われています。(アカメガシワ)
冬芽・枝・葉痕、すべて星状毛に被われています。何だか灰をかぶったように見えますね。(フヨウ)
最初は芽鱗に包まれていますが、早いうちに剥がれ裸芽で冬を越します。(リョウブ)


また、冬芽の全部または一部が葉痕の中に隠れて外から見えないタイプの木があります。こういう冬芽を特に隠芽(いんが)と呼ぶこともあります。

葉痕の中に冬芽が隠れています。芽吹きの遅いネムノキ(マメ科)です。
同じくマメ科のハリエンジュ(別名ニセアカシア)です。春になると、3裂した葉痕の中から新芽が現れます。


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