さあ始めましょう!

さあ、冬芽観察を始めましょう。と言っても、何も遠くまで行かなくてもいいのです。自宅の庭、ご近所の庭、街路樹、近くの公園、近くの散策路などなど、冬芽や葉痕に会えそうなところはたくさんあります。まずは身近かなところで親しみのある木から始めればよいと思います。
私の場合も特に系統立って冬芽・葉痕を撮り始めたわけではなく、面白いと思ったものを撮っていったという感じです。ある程度数が集まると、今度は「あれを探したい」「これを撮りたい」という願望が湧いてきましたが、それは2シーズン目以降のことでした。

面白いと思うものを撮る」これが一番ですが、敢えて言えば、

  1. 落葉樹を探す。
    常緑樹の冬芽は一般に目立たないものが多いので、まずは落葉樹から始めます。

  2. なるべく葉痕の大きいものを見つける。
    最初のうちは肉眼で見ても面白いと分かる大きめの葉痕をつけた木がよいですね。複葉の木は一般に葉痕も大きく、観察には最適です。
    トチノキ、センダン、ウルシ、ハゼノキ、キハダなど、いずれも特徴ある冬芽と葉痕です。

  3. なるべく名前の分かった木から始める。
    面白い冬芽・葉痕が見つかっても名前が分からないものばかりでは興味が半減するかも知れません。
    庭木や街路樹によくあるモクレン、ウメ、サクラ、カキ、イチョウ、プラタナス、モミジバフウ、ハナミズキ、ハナズオウなど、いずれも面白い冬芽・葉痕です。

  4. 低木・幼木を見つける。
    観察・撮影には低木・幼木があると嬉しいですね。
    低木のアジサイ、ウツギ、ハコネウツギ、オオデマリ、ガマズミなどは撮りやすい冬芽・葉痕です。
    幼木の生えた散策路などは冬芽撮りに恰好の場所です。私の自宅付近では、アカメガシワ、クサギ、イヌビワ、ヌルデ、フジ、ハゼノキ、カラスザンショウ、ハリギリ、タラノキ、エノキ、クワ、ヒメコウゾなどの幼木によく出会います。どんな幼木に出会えるかは地域差が大きいでしょうが。
    幼木は花も咲きませんし実もつきません。今まで気にもとめなかった幼木が、その冬芽・葉痕を見て何の木か分かったりすると嬉しいものです。「ヤッター!」という気になってますますハマりますよ。

    (画像をクリックすると拡大します。)
    どちらも高さ30〜40cmの幼木です。棒のような小さな木ですが、その冬芽や葉痕から木の名前が分かるとはちょっとした感動です。(左:センダン 右:カラスザンショウ)
    センダン カラスザンショウ

  5. 繰り返し観察できる場所で探す。
    これは結構大事かも知れません。芽吹きから葉や花も継続観察したい場合も出てくると思います。また、冬芽・葉痕は花と違って長い間(晩秋から芽吹きまで)ほとんど同じ姿でいます。繰り返し観察できればなおよいですね。
などに留意するとよいかも知れません。

冬芽や葉痕だけから木を判別するのは難しいことも多いですが、樹皮、芽吹き後の葉や花、実、さらにその木の生えている環境情報などを調べることによって何の木かは判別がつきます。図鑑やネットを駆使して自分で調べるといっそう興味が湧くと思います。

木は季節ごとに姿を変え、一年を通して私達の目を楽しませてくれます。そんな姿もあの小さな冬芽から始まると思うと、何だかとても不思議な気持ちになりますね。
冬芽・葉痕観察は木を知る上でとても役に立ちます。木に親しむきっかけを与えてくれるでしょう。でもそんな大義名分は要らないのです。冬芽と葉痕観察はそれだけで無条件に楽しいのですから。

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