Mailer-Daemon からのメール
2001.3.15


本当に相手に届いたのか?

メールを送ってみたが本当に相手に届いているのか? メールを始めたばかりの人はこれが気になる。よく「メール送ったから見といてね」と電話してきて、メールの中身を全部電話でしゃべっているという笑い話があるが、気持ちは分からないではない。(^-^;)

正しく送られたかどうか自分の側でチェックする方法として次の三つをあげておこう。

  1. 送ったメールが送信済フォルダに入ったか?
  2. 同報で自分宛にも送ってみて、そのメールが受信できたか?
  3. 送ったメールが宛先不明で戻ってこなかったか?

送信済フォルダに入ったか?

多くのメールソフトでは、送信済のメールは自動的に決まったフォルダ(Outlook Expressなら「送信済アイテム」)に入ることになっている。未送信メールフォルダ(送信トレイ)に入っていたメールが、送信後、「送信済フォルダ」に移行していれば、まずは無事に「発信できた」と思ってよい。

この「無事に発信できた」とはどういうことかと言えば、あなたの行きつけの電子郵便局があなたのメールを受付けてくれたということだ。送ったつもりなのに、未送信のフォルダに残っている場合は、何らかの理由で電子郵便局はあなたのメールを受付けてくれなかったということになる。もういちど送り直しだ。

同報で自分にも送る

送ったメールが送信済フォルダに移ってくれれば大抵の場合は「発信できた」ことになるのだが、移行しているのに何らかの理由で実際には「発信できてない」ことがあるらしい。(私自身はそういう経験はないが…。) もしそういうことが何度も起こるようなら、次のことを試してほしい。

ひとに送るメールの宛先に自分のメールアドレスも加えておく。書く欄はToでもCcでもBccでもどこでもよい。(ToとCcとBccの使い分けに関しては別の機会に書く予定)
そのメールを送信した後、自分宛の分を受信できれば確実に「発信できている」ということになる。

普段受信はできているのに、自分宛のこのメールが受信できなければ、そもそも「発信できてない」可能性が強く、メーラーの設定を見直す必要がある。設定を変えた時は、必ず自分宛にテストメールを送ってみよう。「これでOK」という確信が持てるまでは、すべての送信メールが自分にも来るようにしておくとよい。

ここまで問題がなければ第一段階は通過であるが、まだ安心してはいけない。一応あなたのメールを受付けてくれ、あなた宛には配信してくれた電子郵便局だが、ちゃんと他の宛先人に配信してくれたのであろうか? 結論から言うと、下記に説明する「訳の分からない英文メール」が来なければ、まず99%以上の確率で正常に配信されたと思ってよい。

Mailer-Daemon からエラー通知が来てないか?

さて、メールをやっている人は誰でも何度かは下記のようなメールを受取ったことがあるだろう。最初のうちは何のことか意味が分からずロクに読まない人も多いかと思う。差出人(From)を見ると、メーラー・デーモンとかいう恐そうな名前の人だし、訳の分からない英文が書いてあるし・・。

Date: Sun, 11 Mar 2001 15:03:51 +0900
From: Mail Delivery Subsystem <MAILER-DAEMON>
Subject: Returned mail: User unknown
To: <myname@hogehoge.ne.jp>

The original message was received at Sun, 11 Mar 2001 15:03:47 +0900
from ppp02.hogehoge.ne.jp [xxx.xx.xxx.xxx]

   ----- The following addresses had permanent fatal errors -----
<shizshiz@ajisai.org>  (unrecoverable error)

   ----- Transcript of session follows -----
550 <shizshiz@ajisai.org>... User unknown

   ----- Original message follows -----
Return-Path: myname@hogehoge.ne.jp
Received: ・・・・・・
(中略)
Date: Sun, 11 Mar 2001 15:03:47 +0900
To: shizshiz@ajisai.org
Subject: 土曜日の飲み会について
From:  <myname@hogehoge.ne.jp>
(中略)

本文(以下省略)

ここであなたのメールアドレスを仮にmyname@hogehoge.ne.jpとしよう。なお、先におことわりしておくが、ここに書いたものは架空のメールなので中身も表記の仕方も実際のものとは少しずつ違っているかも知れない。
簡単に言うとこのメールは、「myname@hogehoge.ne.jpさん(つまり、あなた)がshizshiz@ajisai.orgさん宛にメールを送ったが、shizshiz@ajisai.orgという人はajisai.orgにはいないので、メールをお返しします」というお知らせだ。

少し丁寧に読んでみよう。
最初の4行はごく普通のメールと同じように、日付、発信人、題名、宛先人を表している。ここで発信人は Mail Delivery Subsystem <MAILER-DAEMON> となっているが、これは電子郵便局長とでも考えておけばよい。

それぞれのプロバイダには電子郵便局が一つあって(実際には複数ある)、職員である局長が一人いると考えよう。局長はお客から依頼された電子メールの宛先を見て、そのアドレスを管轄する郵便局長に「おたくの郵便局が管轄する○○さん宛のメールを預っているので、今から送ってよいか?」と問合せる。「OK」という返事が来たらめでたく送れるわけだが、そこで「そういう人はウチの管轄にはいないので送らないでくれ」と断られることがある。

断られた郵便局長は仕方なく、理由を書いて発信人にメールを返却するのだが、それが上記のメールである。6行目からが本文だが、「いついつ、これこれから受取った誰それのメールは、かくかくしかじかの理由によって配信できませんでした」ということが書かれている。この理由の部分は場合によって少しずつ違うが、だいたい似たようなことが書いてあると思えばよい。

このメールの場合は、User unknownだから、宛先のユーザー名を単にあなたが書き間違えたか、元々そういう人はいないか、かつてはいたけどもう今はいないか…、とにかく@マークより左側が違っているらしいことが分かる。
これがHost unkhownの場合は、そういうホストはないよということだから、@マークより右側が違っているらしい…ということになる。 判読が必要なのはここまでで、「----- Original message follows -----」以下はあなたが送ったメールがそのままついているだけだから気にしなくてよい。

メーラー・デーモンからのメッセージを読んでいくうちに、多分あなたは自分がアドレスを書き間違えたことに気がつくだろう。「そうか! shizshiz@ajisai.org ではなくて shizuka@ajisai.org だった!」という具合に…。アドレスの間違いに気がついたら早速再送しておこう。
このメールを読まずにほっとけば、shizuka@ajisai.org さんには土曜日の飲み会のお知らせが行かないことになる。「どうして教えてくれなかったの?」と後で文句を言われても、それはあなたの責任だ。インターネットさんのせいにしてはいけない。

こうしてみると、最初訳が分からないと思っていたメーラー・デーモンからのメールだが、判読するのもそう難しいことでもなさそうだ。そう嫌わないで(恐れないで)ほしい。どころか、これが来るということは大変ありがたいことだ。逆に言えば、こういうメールが来なければ99%以上の確率でそのメールは正しく配信されたと思ってよいからだ。(それを相手が読んだかどうかは、また別問題だが・・)

「99%以上の確率」と書いたのは単に私が経験的にそう感じているだけで、理由があるわけではない。インターネットは、たとえあなたの送ったメールが相手に届かなくても、誰かが責任を取ってくれるという世界ではない。「最大限の努力はしますが、もしハプニングが起きてご期待に沿えない時はごめんなさい」という世界だ。100%は保証できない。

従ってメールについては、相手が読んだかどうか知りたい場合、どうしても期日までに相手に伝えておかなければいけない場合は、「このメール読んだらいついつまでにお返事下さい」とメールに書き添えておくとよいと思う。もちろん別の通信手段があればそちらを使った方がよいこともある。

「メールを送ったはず」「いや来なかった」でつまらぬトラブルが起きぬよう、人間の方も最大限の努力はしたいものだ。

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